
* 自動翻訳した記事に、編集を加えています。
広告業界のリーダーたちは、最大の年次イベントであるカンヌライオンズで「AI理論」や「創造性そのものへの称賛」にのみ焦点を当てるべきではなく、クライアントがカンヌを発った直後から活用できる「即効性のある」実践的なビジネスソリューションを提供するべき――ピュブリシス・グループ(Publicis Groupe)のアーサー・サドゥーンCEOはこのように語る。
世界で最も時価総額の高いエージェンシーグループである同社は、約 400 人のスタッフをカンヌに派遣する。これは昨年より「若干少ない」人数だという。昨年採用した戦略を再現し、5 日間のフェスティバル期間中は毎日午前 9 時から午後 6 時まで、クライアント向けの「非公開」セッションを開催予定だ。昨年は70 社のクライアント向けに約 40 のセッションを実施し、重要な新規ビジネスを獲得するのに貢献したとサドゥーン氏は振り返る。
6 月 16 ~ 20 日に開催される今年のフェスティバルは、企業がトランプ米大統領の関税政策や人工知能(AI)の影響拡大といった大きな不確実性に直面していることから、「これまでとは異なる雰囲気になる」と同氏は予測する。
最近はエージェンシーの大規模なリストラやレイオフといった出来事が毎日のように報道されて「ネガティブなニュースが絶えない」と、ライバルであるWPPやインターパブリックなどが人員削減を進めていることを暗に示唆した。
「ビッグ 4」のエージェンシーグループのオーガニック成長率は2025 年第 1 四半期に減少し、これはパンデミック以降初めてのこと(ただしピュブリシスはこの傾向とは逆で、成長率は 約5%)だと主張する。前回の景気後退は世界の大部分がロックダウン状態にあった2020 年で、この年はカンヌライオンズが開催されなかった。
フェスティバルでは日中にパレ(会場)での講演プログラム、夜には授賞式や業界パーティーが予定されている。だが、厳しいマクロ経済という「コンテキスト(文脈)」を踏まえ、サドゥーン氏は今年のフェスティバルでは「これまでとは異なるアプローチ」を取るよう業界に呼びかける。

「AI アップサイド」(上記画像)と銘打たれたクライアント向けセッションでは、AI理論を語るのではなく「景気の後退期において、クライアントにとってAIがもたらす現実的で即効性のあるメリットを明らかにする」ことを目指す。同社によると「ピュブリシスは、市場シェア拡大とコスト削減を同時に実現できる革新的ですぐ使えるAIソリューションの中核に、クリエイティビティーを据えていく」とのことだ。
即効性のある実践的なソリューションに焦点を当てることが重要だと、サドゥーン氏は説く。「新たな組織再編や人材削減、コスト削減について日々語るのではなく、この困難な時代において(AIが)もたらす価値について語るべきことがたくさんあると考えています」。
カンヌライオンズは世界で最も権威のあるクリエイティブアワードとされる。だが、現状において「クリエイティビティーそのものを称賛する」だけでは「完全に間違っている」と同氏は指摘する。
「卓越したクリエイティブをただ見て、未来へのインスピレーションを得るだけでは不十分。AIやテクノロジーによって強化されたクリエイティビティーの卓越性が、クライアントのビジネス課題をどのように解決できるかを示す必要があります」。
カンヌでの「非公開なアプローチ」は、ライバル企業とは対照的
ピュブリシスはカンヌに派遣するスタッフの数をまだ確定しておらず、最終的には400人を下回る可能性もある。クライアントが参加しないからという理由で、チームからキャンセルが出たとしても「驚かない」とサドゥーン氏。「私たちはクライアントがいる場所にいたい」と考えており、現在の状況を鑑みると、クライアントの差し迫ったビジネス課題にエージェンシーの幹部が対応する必要があるかもしれないからだ。
ピュブリシスが非公開セッションに注力することは、メインのフェスティバルを蔑ろにしようというものではないと同氏は強調する。開催の1カ月前に計画を発表したのも、クライアントが参加登録できる時間を確保するためとのこと。ピュブリシス側でも、クライアント向けのセッションに参加するのはごく一部で、幹部はフェスティバルに参加する予定だという。
サドゥーン氏は2017年のCEO就任直後、内部のAIプラットフォーム「マルセル(Marcel)」に注力するため同社は「カンヌライオンズを含む主要な広告賞やカンファレンスに12カ月間参加しない」と発表し、波紋を呼んだ。また昨年のカンヌでは自社AIの能力を強調する一方で、主要なライバル企業を揶揄して「AIのBS(でたらめ)をやめよう」と呼びかける動画を公開した。
カンヌで実施したクライアント向けのセッションが、3月の米コカ・コーラのメディア獲得など新規事業の好調な獲得につながったとサドゥーン氏は語るが、具体的なクライアント名は明かさなかった。4月に行われた第1四半期の決算発表では「かなりの数のブランドと成功を収めることができたのは、我々がデータやテクノロジー、AIを彼らのビジネスに活用していることを、カンヌでの非公開セッションで彼らに理解してもらったからです」と語っている。
ピュブリシスは、中心部のクロワゼット大通りからすぐのところにあるグレイ・ダルビオン・ホテルを、非公開イベント用の会場として借りる。これは一部の競合他社が一等地のビーチを借り、公開イベントや参加者向けのパーティーを主催し、クライアント向けのプライベートセッションも企画するのとは対照的だ。
ピュブリシスはまた、フェスティバル前の日曜日にカンヌで全スタッフを対象とした6時間の社内会議を実施し、クライアントへの戦略的提案について議論し、過去1年間で同社が制作したクリエイティブ作品の中から特に優れた30作品を披露する予定だ。
カンヌライオンズは、親会社アセンシャル(Ascential)を昨年買収した英インフォーマ(Informa)が運営する。2024年のカンヌライオンズには13,000人以上が参加し、登録料とスポンサーシップの収益は共に20%以上増加。エントリー数は約27,000件でほぼ横ばいだった。