Tatsuya Mizuno
2021年6月29日

カンヌライオンズ2021:日本勢の受賞作品

世界最大級の広告賞「カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル」が先週閉幕した。新型コロナウイルスの影響で、今年はオンラインによる2年振りの開催。受賞した日本勢の作品をご紹介する。

カンヌライオンズ2021:日本勢の受賞作品

今年のカンヌライオンズでは、アジア太平洋地域(APAC)の国々は締めて113の賞を獲得した。その内訳はグランプリが3、ゴールドが9、シルバーが32、ブロンズが69。国別ではオーストラリアがトップで29。次いでインドが22、日本が14だった。

グランプリを獲得したのは、電通マクギャリーボウエン台湾が手掛けた不動産大手シンイ・リアルティ(Synyi Realty、信義房屋)のショートフィルム「In Love We Trust」と、オグルヴィ・パキスタンによる通信大手テレノール(Telenor)のキャンペーン動画「Naming the Invisible by Digital Birth Registration」の2作品。前者はエンターテインメント部門、後者はメディアとモバイルの2部門で最高賞を獲得した。共に、国内における大きな社会的課題を正面から据えた作品だ。台湾勢のグランプリ受賞はカンヌ史上初。(グランプリの作品はこちらから

日本勢の最高位は、電通による江崎グリコのキャンペーン「ポッキー・ザ・ギフト」(写真下)。デザイン部門でゴールドを受賞した。日本人に長年親しまれてきたスナック「ポッキー」のパッケージを贈答用に一新、年齢層の高い顧客の獲得に成功した。


次いで、シルバーが2作品。電通とヤマハによる「ディア・グレン」はエンターテインメントの音楽部門で受賞。夭折した伝説的ピアニスト、グレン・グールドの演奏を人工知能(AI)で再現するという取り組みで、現代の名演奏家との共演コンサートも催された。人間とAIとの共創、そして新たな音楽表現を提起するプロジェクトだ。

パンテーン(P&G)のキャンペーン「#HairWeGo〜さあ、この髪でいこう。」はPR部門でシルバーとブロンズを受賞。協働したのは電通、PARTY、マテリアルの3社。テーマは、ヘアスタイルという視点から捉えたダイバーシティー(多様性)とインクルージョン(包摂性)の促進。均質性を求める「就活ヘア」や、校則となっている「地毛証明書」といった日本社会に根深い排他的な同調圧力へのアンチテーゼだ。

ブロンズを受賞したのは、以下の作品群。

ブランド、エクスペリエンス&アクティベーション部門

デジタルクラフト部門

  • 資生堂「唐草」 「The Continuously Changing Brand Identity “Shiseido Karakusa”」 制作:電通、資生堂
  • 「Yakushima Treasure」 ライブ配信ムービー「Yakushima Treasure 〜 Another Live from Yakushima」 制作:電通
  • 森ビル 「アーバンラボ」 制作協力:SIX

エンターテインメント部門

フィルムクラフト部門

ヘルス&ウェルネス部門

  • ドリーム 「30秒サイズの小さな石鹸 Pocket Soap」 制作:TBWA/HAKUHODO

メディア部門

プリント&パブリッシング部門

  • NHK 「The Hidden Essence 〜 浮世絵EDO-LIFE(テレビ番組シリーズ)」 制作:NHK

(文:水野龍哉)

提供:
Campaign Japan

関連する記事

併せて読みたい

3 日前

グループエム、世界の広告費予測を下方修正

グループエム(GroupM)によると、実体経済と広告費の乖離が拡大しており、2022年の広告費見通しは「予想されているほど悪くない」という

3 日前

Z世代がブランドに求める3つのこと

Z世代の関心を惹きたいブランドに、当のZ世代は何を期待しているのか。デブリーズ・グローバル(DeVries Global)のシンガポール支社でコンサルタントを務めるゴードン・チュア氏が、Z世代の視点について語った。

3 日前

ゲレティ・アワード 日本審査員が語る広告界の今

女性の視点を反映した世界的規模の広告賞「ゲレティ・アワード 」。日本で審査員を務めた面々が、業界におけるジェンダー平等、女性がより共感できるストーリーの必要性などを語り合った。

3 日前

世界マーケティング短信:カンヌライオンズ、3年ぶりに現地開催

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。