Staff Reporters
2024年5月21日

パワーリスト2024:河野奈保(楽天)

楽天のビジネスを躍進させ、ブランド認知度を大きく高めた河野氏。昨年はエコシステムへのAIの統合にも尽力した。

パワーリスト2024:河野奈保(楽天)
パワーリスト2024
APACベストマーケター50
#AuthenticLeaders 

河野奈保

副社長執行役員、チーフマーケティングオフィサー
楽天グループ、楽天モバイル
Japan
2020年より5年連続で選出

楽天グループのCMOとしてブランディングやマーケティング、クリエイティブを統括し、同社のエコシステムを成長させる河野氏。2020年以降、パワーリストの常連だ。彼女のリーダーシップの下、同社のビジネスモデルは年々成長・拡大を続け、2023年12月時点で月間アクティブユーザー数は4,150万人超。過去1年間では76.9%のユーザーが同社の2つ以上のサービスを利用する。

一方、楽天は米国、カナダ、フランス、スペイン、台湾、日本といった重要市場でグローバルブランド認知度81.3%を達成(今年1月のブランドロゴ認知度調査より)。

楽天モバイルを筆頭とする契約者数は600万人に達し、2023年12月時点での解約率はわずか1.13%に過ぎない。特筆すべきは、楽天市場の年間商品総売上高の60%をモバイル契約者が占めていることだ。

楽天はインターブランドの「2024年ベスト・ジャパン・ブランド・ランキング」で100社中28位。河野氏は楽天ブランドを代表し、インターブランドの「ブランドリーダーズインタビュー」シリーズに登場。同社の戦略や従業員エンゲージメント、目的主導型経営について語っている。

楽天が注力する分野の1つがAI。オープンAIと戦略的提携を交わし、全従業員にAI活用を推進、既存のエコシステムへのAI統合を図る。新しい従業員プラットフォームの立ち上げ、B2Bクライアントやパートナー企業をターゲットとした「Rakuten AI for Business」など、様々な取り組みが行われている。

河野氏は業界のイベントや広告賞の審査員などでも積極的に活動。2024年には楽天最大の年次ビジネスイベント「楽天オプティミズム2023」に登壇し、AIの可能性について語った。

同氏の楽天への入社は2003年。日本最大のオンラインショッピングプラットフォーム「楽天市場」で、マーケティングやUI/UX、事業戦略の要職を歴任。2017年には女性初・最年少で楽天の常務執行役員に就任。楽天創業者の三木谷浩史社長からEC事業の手綱を引き継いだ。その後、ユーザーの買い物や楽天サービスの利用を促進する戦略的取り組み「スーパーポイントアッププログラム(SPU)」を開発、その陣頭指揮を執っている。

パワーリスト2024
APACベストマーケター50
#AuthenticLeaders 

 

関連する記事

併せて読みたい

2 日前

マーケティング支出には誰もが「懐疑的」:ユニリーバ元CFO

「メディア環境の断片化とコスト構造の変化で、支出の正当性を証明することが難しくなっている」と元CFOは語る。

2 日前

グーグルのアドテク独占禁止法裁判からCMOが学べること

米司法省がグーグルを、広告市場の独占で提訴した。マーケターやCMOがこの裁判を注視すべき理由を、ベンチ・メディアのオリ・ゴールド氏が説明する。

2 日前

世界マーケティング短信:アセンシャルがエフィーを買収する理由

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

2024年10月04日

世界マーケティング短信:子どもインフルエンサーにも報酬を

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする